春画に見る江戸時代の舐め犬

クンニには長い歴史があります。
「クンニの歴史=人間の歴史」といっても過言ではありません。
海外の古い文献や芸術作品、壁画などにもクンニの様子が描かれています。
私は以前、クンニの知識を深めるため、図書館や電子書籍でクンニに関する書物を探しました。
そこで、最も興味をひかれたのが「春画」でした。
ご存知の方も多いと思いますが、
「春画」とは、江戸時代のエロ本です。
ここ一例を紹介します。
この春画は、葛飾北斎の『蛸と海女』(たことあま)という作品です。

蛸と海女
『蛸と海女』(艶本『喜能会之故真通』) / 鉄棒ぬらぬら

蛸が女性にクンニをしている、なんともユニークでインパクトがあります。この作品は海外からも評価が高いそうです。
クンニに関する最も有名な「春画」といえば、この『蛸と海女』でしょう。
エロアニメでよくある「触手」はこの絵からヒントを得て、はじまったものだと思います。
また、葛飾北斎は、春画を描くときは「鉄棒ぬらぬら」などのペンネームを使用して作品を出していました。
江戸時代の芸術家はいくら素晴らしい絵を描いても、評価され、有名になるまでは、あまりお金にはならなかったそうです。
なので、自分の作品とは別に、普通の絵よりも売れる春画を描いて収入にしていた芸術家も多かったとか。
今でもコンビニに大量にエロ本が置いているのと同じようなもので、
「エロは売れる」のです。
いつの時代も変わりません。
『蛸と海女』は少し特殊な作品でありましたが、春画のほとんどは男女の営みを描いたものです。
男性器や女性器があり得ないくらい大きなサイズで、細かく、リアルに描かれているのが特徴です。

富久寿楚宇
『富久寿楚宇』 / 北斎

正常位、騎乗位、バックなど現在でもポピュラーな体位はもちろん、
クンニをしている様子が描かれた春画も残されています。

クンニ 春画
『会本色能知功佐』 / 喜多川歌麿

これはクリトリスを舐めている春画です。
この絵のなかには、こんな男女のセリフも書かれています。

男「アア、エエ、練れた開だ。そして、いい匂いだ。砂糖餅、開のあるへい、開の上物で、うまい、うまい」
女「なめさせるが信実なら、思い入れなめてくんな。そして、吸ってくんな。腰から下はおめえに明け渡したから、どうとも好きにしなせえ」

『春画で見る江戸の性事情』より

「開」(ぼぼ)とは「オマンコ」の当時の呼び名です。
これをもっと簡単に現代語に直すと、
男「うひゃ~オマンコもうこんなにヌレヌレ!あぁ…エロくていい匂いする!まるで砂糖餅みたいに甘い!これは極上のオマンコだ!美味しいよ…すごく美味しい…」
女「そんなに舐めたかったの?なら好きに舐めていいよ♪ 舐めるだけじゃなく、クリもちゃんと吸ってね♪ わたしのオマンコはもう君のものだよ♡」

控えめに言って、最高です。
セリフから男女の関係性がよくわかります。
あと注目していただきたいのは、女性の脚がちょんまげ男の背中に乗っているところ。
このちょんまげ男は確実にM男です。
私はこのちょんまげ男にすごく親近感が湧きました。
クンニをしている最中、考えてることが全く一緒でなんですもの。
他にもクンニに関する春画は数多く残されています。

クンニ 春画
『赤褄賦』 / 北尾雪坑斎

年老いたベテラン舐め犬が、若いオマンコを舐める直前です。
客と遊女でしょうか。
女性の表情からは、なにか余裕のようなものが感じられます。
まるで「さぁお舐め」と言っているようです。
しかしその後、ベテラン舐め犬にクンニされて、女性の表情はどのように変わっていったのだろうか…
想像が膨らみます。
でも、庭から丸見えだけどいいの?

クンニ 春画
『和楽色納戸』 / 西川祐信

愛液を一滴残らず飲み干そうと、オマンコの下に受け皿を用意する、変態舐め犬です。
この変態舐め犬、とっても楽しそうな表情をしていますね。
また女性はクンニをしている男の頭を押さえています。きっとドSの飼い主様なのでしょう。
この作品が他の春画と決定的に違う点は、
男が性器を露出せず”着衣のまま”というところ。
これは現在の舐め犬にも共通しているスタイルです。
自らの快楽のためではなく、ひたすら女性に奉仕することに集中する。
そしてクンニを最大限に楽しむ。
舐め犬という文化は、大昔から受け継がれてきた文化なのかもしれません。